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豪ドル/米ドル(AUD/USD)の自動売買設定

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AUD/USD

AUD/USD(豪ドル/米ドル)はAUD/JPYに比べると金利差が小さいので、「買い」と「売り」の両建て自動売買がしやすい通貨です。同じ豪ドルでもペアの相手が米ドルだとAUD/JPYとは少し違う動きをするので、リスクヘッジにもなります。運用中の自動売買の設定や運用成績、リスク管理について紹介していきます。

AUD/USDの20年間長期チャート

2000年から2021年のAUD/USD長期チャートです。

AUD/USD20年チャート

AUD/USDの最高値と最安値

AUD/USD20年間の動きは、約0.8ドルを中心に上がったり下がったりしています。

最高値は1.1079ドル、最安値は0.4773ドルでした。

この20年チャートを参考に、私は大まかな売りと買いの範囲をイメージします。

買いゾーン:0.5~0.85ドル
売りゾーン:0.75~1.1ドル

むやみに自動売買を設定するのではなく、長期間の値動きを把握することで、現在の価格のポジションを理解して、買いゾーンなら「買い」を、売りゾーンなら「売り」を中心に増やしていきます。できるだけ含み損や損切りを抑えようという考えから、このゾーン分けを実施しています。

AUD/USDの現在のポジション

現在は、中心ラインの0.8ドルより下の買いゾーンで推移しています。20年間で見ると安値圏にいるのがわかります。積極的に「買い」戦略を増やせるゾーンにいることになります。

0.73を超えてきたら、売りの自動売買をストップさせようと考えています。

スワップは、日々変動しますが、「買い」の場合0で、売りの場合はマイナススワップが多いです。AUD/JPYとは違い、AUD/USDは「買い」がプラススワップになるとは限らないので事前チェックが必要です。

AUD/USDは現在「買い最適ゾーン」である

過去の変動幅から損切り幅を決める

過去の最安値、最高値まで耐えられる自動売買がベストです。
過去の最安値、最高値までレートが推移しても損切りされないような自動売買の設定であれば、100%安全とは言えませんが、かなり安全です。

最安値、最高値までの値幅は?

現在の0.68ドルあたりから自動売買をスタートした場合、
最安値:0.4773ドルまで約2,000pips
最高値:1.1079ドルまで約4,200pips
これを忠実に守っていくと必要資金も増えて資金効率が悪くなります。

私の場合、数年は損切りが発生しにくい自動売買にするため、直近1~3年の変動幅を参考にして、損切り幅を決めています。

期間ごとの変動幅

AUD/USDは、過去21年間のデータから年間平均1,493pips変動します。

以下の表は直近月末をスタート基準にしてAUD/USDの変動幅を期間ごとに算出したものです。期間が長くなるほど変動幅は大きくなります。

1か月 半年 1年 3年 5年 10年 20年
272 411 705 1,447 1,447 4,410 6,306

(スタート基準:2019年12月末/単位:pips)

pipsとは

pipは為替レートの最小単位のことで、色々な国の通貨ペアの動きを表現するのに共通で使用される単位です。

1pip=0.01円=1銭、1pip=0.0001ドル、1pip=0.0001ユーロ
1000pips=10円、1000pips=0.1ドル、1000pips=0.1ユーロ

対円だけ0.01ですが、他はすべて1pip=0.0001で覚えておけばOKです。

AUD/USDが20年間で6,306pisp変動があったということは、約0.63ドルの変動があったということです。約70円の動きがあったとも言えますが、このように各国の通貨の動きを円で表現するのは適切ではありません。その時のレートで変わってくるからです。日本円とのペアでは、単位を円で考えたほうが分かりやすいため円で表記しましたが、その他では、全通貨共通で使用されるこの単位「pips」のほうが分かりやすいと思います。

AUD/USDの年間平均変動幅や直近の変動幅を見ると、1,400pips以上の損切り幅があれば、数年は損切りされにくいと言えます。仮に損切り価格までレートが変動した場合でも、1,400pips以上レートが変動するには数年かかりますし、その間の売買利益も積みあがっているので、損切幅を広げて損切りを回避することもできます。思い切って数本を損切りしたとしても、売買を継続することでその分は取り戻せます。

AUD/USDは1,400pips以上の損切り幅がおすすめ
損切り幅は過去の最安値がベストだが、最初は1~3年耐えられる設定で十分
数年の運用利益で、損切り幅を広げていけばいい

運用中の自動売買設定情報

設定の内容

2020年からこの4種類の設定でAUD/USDの自動売買を運用しています。
設定の決め方についてはこちらを参考にしてください。

設定内容 設定① 設定② 設定③ 設定④
注文間隔 100pips 100pips 40pips 40pips
売買
利益幅 100pips 100pips 40pips 40pips
注文数 20本 20本 40本 40本
損切り -2,000pips -2,000pips -1,600pips -1,600pips

設定ごとの必要資金はいくら?

注文間隔ごとの必要資金の目安です。最大含み損と必要証拠金の合計が必要資金の目安になります。「買い」と「売り」の両建て自動売買の場合、含み損は片方が増えれば片方が減るというふうに重複しないので、相殺して一緒にまとめて考えています。両建ては「買い」を2セット運用するより必要資金は少なくなるのです。

必要資金の計算方法についてはこちらを参考にしてください。

設定間隔 必要資金の目安 最大含み損
設定①②
100pips
買・売
300,000円 -231,000円
設定③④
40pips
490,000円 -360,800円

ロスカットされないためのリスク管理・必要資金の計算方法

リスク試算表を使ってそれぞれの設定で必要資金、最大含み損を計算し、リスク管理を行います。ロスカットされないために重要なのは、最大含み損を把握すること。運用資金が最大含み損と必要証拠金より多くあればいいのです。

【重要ポイント!】

必要資金の計算方法

自動売買の必要資金をリスク試算表を使って計算します。購入単位はすべて1,000通貨です。必要証拠金はUSD/JPYのレートによって変動しますので、現在の証拠金を暫定値で設定してあります。

設定①(100pips間隔、注文数20本、買い)

注文価格 含み損
(0.55の時)
損切価格
(-2,000pips)
損切の
損失額
必要証拠金
(暫定値)
0.75 -200 0.55 -200 -3,200
0.74 -190 0.54 -200 -3,200
0.73 -180 0.53 -200 -3,200
0.72 -170 0.52 -200 -3,200
0.71 -160 0.51 -200 -3,200
0.70 -150 0.50 -200 -3,200
0.69 -140 0.49 -200 -3,200
0.68 -130 0.48 -200 -3,200
0.67 -120 0.47 -200 -3,200
0.66 -110 0.46 -200 -3,200
0.65 -100 0.45 -200 -3,200
0.64 -90 0.44 -200 -3,200
0.63 -80 0.43 -200 -3,200
0.62 -70 0.42 -200 -3,200
0.61 -60 0.41 -200 -3,200
0.60 -50 0.40 -200 -3,200
0.59 -40 0.39 -200 -3,200
0.58 -30 0.38 -200 -3,200
0.57 -20 0.37 -200 -3,200
0.56 -10 0.36 -200 -3,200
合計 -2,100$ - -4,000$ -64,000円
  1. 最大含み損:-2,100ドル(-231,000円)
  2. 最大損切りリスク:-4,000ドル(-440,000円)
  3. 必要証拠金:-64,000円
  4. 必要資金の目安:231,000 +64,000=295,000円以上

USD/JPY=110円で計算しています。

設定②(100pips間隔、注文数20本、売り)

注文価格 含み損
(0.95の時)
損切価格
(+2,000pips)
損切の
損失額
必要証拠金
(暫定値)
0.75 -200 0.95 -200 -3,200
0.76 -190 0.96 -200 -3,200
0.77 -180 0.97 -200 -3,200
0.78 -170 0.98 -200 -3,200
0.79 -160 0.99 -200 -3,200
0.80 -150 1.00 -200 -3,200
0.81 -140 1.01 -200 -3,200
0.82 -130 1.02 -200 -3,200
0.83 -120 1.03 -200 -3,200
0.84 -110 1.04 -200 -3,200
0.85 -100 1.05 -200 -3,200
0.86 -90 1.06 -200 -3,200
0.87 -80 1.07 -200 -3,200
0.88 -70 1.08 -200 -3,200
0.89 -60 1.09 -200 -3,200
0.90 -50 1.10 -200 -3,200
0.91 -40 1.11 -200 -3,200
0.92 -30 1.12 -200 -3,200
0.93 -20 1.13 -200 -3,200
0.94 -10 1.14 -200 -3,200
合計 -2,100$ - -4,000$ -64,000円
  1. 最大含み損:-2,100ドル(-231,000円)
  2. 最大損切りリスク:-4,000ドル(-440,000円)
  3. 必要証拠金:-64,000円
  4. 必要資金の目安:231,000 +64,000=295,000円以上

USD/JPY=110円で計算しています。

設定③(40pips間隔、注文数40本、買い)

40pips間隔の自動売買は、必要資金を減らすために、本数を40本、損切り幅を1600pipsに小さくして運用しています。

注文価格 含み損
(0.59の時)
損切価格
(-1600pips)
損切の
損失額
必要証拠金
(暫定値)
0.750 -160 0.590 -160 -3,200
0.746 -156 0.586 -160 -3,200
0.742 -152 0.582 -160 -3,200
0.738 -148 0.578 -160 -3,200
0.734 -144 0.574 -160 -3,200
0.730 -140 0.570 -160 -3,200
0.726 -136 0.566 -160 -3,200
0.722 -132 0.562 -160 -3,200
0.718 -128 0.558 -160 -3,200
0.714 -124 0.554 -160 -3,200
0.710 -120 0.550 -160 -3,200
0.706 -116 0.546 -160 -3,200
0.702 -112 0.542 -160 -3,200
0.698 -108 0.538 -160 -3,200
0.694 -104 0.534 -160 -3,200
0.690 -100 0.530 -160 -3,200
0.686 -96 0.526 -160 -3,200
0.682 -92 0.522 -160 -3,200
0.678 -88 0.518 -160 -3,200
0.674 -84 0.514 -160 -3,200
0.670 -80 0.510 -160 -3,200
0.666 -76 0.506 -160 -3,200
0.662 -72 0.502 -160 -3,200
0.658 -68 0.498 -160 -3,200
0.654 -64 0.494 -160 -3,200
0.650 -60 0.490 -160 -3,200
0.646 -56 0.486 -160 -3,200
0.642 -52 0.482 -160 -3,200
0.638 -48 0.478 -160 -3,200
0.634 -44 0.474 -160 -3,200
0.630 -40 0.470 -160 -3,200
0.626 -36 0.466 -160 -3,200
0.622 -32 0.462 -160 -3,200
0.618 -28 0.458 -160 -3,200
0.614 -24 0.454 -160 -3,200
0.610 -20 0.450 -160 -3,200
0.606 -16 0.446 -160 -3,200
0.602 -12 0.442 -160 -3,200
0.598 -8 0.438 -160 -3,200
0.594 -4 0.434 -160 -3,200
合計 -3,280$ - -6,400$ -128,000円
  1. 最大含み損:-3,280ドル(-360,800円)
  2. 最大損切りリスク:-6,400ドル(-704,000円)
  3. 必要証拠金:-128,000円
  4. 必要資金の目安:360,800 +128,000=488,800円以上

USD/JPY=110円で計算しています。

設定④(40pips間隔、注文数40本、売り)

注文価格 含み損
(0.91の時)
損切価格
(+1600pips)
損切の
損失額
必要証拠金
(暫定値)
0.750 -160 0.910 -160 -3,200
0.754 -156 0.914 -160 -3,200
0.758 -152 0.918 -160 -3,200
0.762 -148 0.922 -160 -3,200
0.766 -144 0.926 -160 -3,200
0.770 -140 0.930 -160 -3,200
0.774 -136 0.934 -160 -3,200
0.778 -132 0.938 -160 -3,200
0.782 -128 0.942 -160 -3,200
0.786 -124 0.946 -160 -3,200
0.790 -120 0.950 -160 -3,200
0.794 -116 0.954 -160 -3,200
0.798 -112 0.958 -160 -3,200
0.802 -108 0.962 -160 -3,200
0.806 -104 0.966 -160 -3,200
0.810 -100 0.970 -160 -3,200
0.814 -96 0.974 -160 -3,200
0.818 -92 0.978 -160 -3,200
0.822 -88 0.982 -160 -3,200
0.826 -84 0.986 -160 -3,200
0.830 -80 0.990 -160 -3,200
0.834 -76 0.994 -160 -3,200
0.838 -72 0.998 -160 -3,200
0.842 -68 1.002 -160 -3,200
0.846 -64 1.006 -160 -3,200
0.850 -60 1.010 -160 -3,200
0.854 -56 1.014 -160 -3,200
0.858 -52 1.018 -160 -3,200
0.862 -48 1.022 -160 -3,200
0.866 -44 1.026 -160 -3,200
0.870 -40 1.030 -160 -3,200
0.874 -36 1.034 -160 -3,200
0.878 -32 1.038 -160 -3,200
0.882 -28 1.042 -160 -3,200
0.886 -24 1.046 -160 -3,200
0.890 -20 1.050 -160 -3,200
0.894 -16 1.054 -160 -3,200
0.898 -12 1.058 -160 -3,200
0.902 -8 1.062 -160 -3,200
0.906 -4 1.066 -160 -3,200
合計 -3,280$ - -6,400$ -128,000円
  1. 最大含み損:-3,280ドル(-360,800円)
  2. 最大損切りリスク:-6,400ドル(-704,000円)
  3. 必要証拠金:-128,000円
  4. 必要資金の目安:360,800 +128,000=488,800円以上

USD/JPY=110円で計算しています。

AUD/USD 過去の運用実績

過去の実績をみると、AUD/USDは100pips間隔の自動売買では、月間平均利益はおよそ1,000円ぐらいです。「買い」「売り」の両建てで運用を行えば、月に2,000円になります

2018年 1年間の運用成績

100pips間隔 利益 スワップ 月間
平均利益
買い 11,093 -771 1,032
売り 21,807 -160 2,165

※3月~12月までの運用成績です。

2019年 1年間の運用成績

100pips間隔 利益 スワップ 月間
平均利益
買い 11,955 -712 936
売り 13,955 622 1,214

2020年 1年間の運用成績

2020年はコロナショック時の豪ドル安と、その後のドル安が影響し、2,000pips以上の変動が発生しました。そのため、「買い」「売り」両方で損切りが発生し、利益はマイナスとなってしまいました。

100pips間隔 利益 スワップ 月間
平均利益
買い -37,609 -18,357 -4,663
売り -1,468 -1,365 -236

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