CFD自動売買入門

【CFD自動売買】を始める手順

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CFD自動売買の始め方

CFDの自動売買を始めてみたいと思っていても、やり方がわからない、失敗したらどうしよう、安全に運用できるかどうか不安だ、などなど最初はいろいろ悩みます。

自動売買を始める前の疑問

  • いくら必要なのか?
  • どのCFDを選べばいいのか?
  • どんな設定で自動売買すればいいのか?

この記事では、安全にCFD自動売買を始められるよう運用資金の決め方、どのCFDで、どんな設定で自動売買すればいいのか、始める手順を解説していきます。

CFDやCFD自動売買についてあまり知識がない場合は、こちらの記事を読んでから手順を参考にしてください。

手順①:運用する予算を決める

運用資金をいくら用意すればいいのか?いくらからスタートするか?を考えるときの基本ルールは「少額からスタートする」です。

CFD自動売買に必要な資金は、設定のやり方にもよりますが、最低でも20~30万は必要です。まずはここから始めるのが安全です。それ以上資金があるという人でも、最初は少額でスタートし、経験を積んでから少しづつ運用資金を増やして、自動売買を増やしていくべきです。

運用資金を決めるときに注意するべき点は3つあります。

  1. 運用資金は余裕資金から使う
  2. 余裕資金の考え方を知っておく
  3. 予算を最初から全額はつっこまない

例えば、自動売買を20万円から始めて、その後運用が失敗して20万円が失われたら、生活ができなくなってしまうような人は、運用はやめてください。

余裕資金から運用するのです。しかし、余裕資金で運用することはわかっていても、余裕資金の考え方を間違うと、余裕じゃない資金で運用してしまう可能性があります。

運用資金の決め方はFX、ETF、CFD自動売買において共通です。詳しい説明はこちらの記事を参考にしてください。

手順②:CFDを選ぶ

CFDは投資対象も様々で、為替、米国株、中国株、世界の株価指数、原油や金などの商品、REITなどありますが、やはり最初に運用するのであれば株価指数CFDがおすすめです。特にFXを運用している人には、為替との分散投資として株価指数CFDはおすすめだと思います。

株価指数CFDがおすすめな理由

私も実際に運用しているのは、株価指数CFDです。日本、アメリカ、イギリス、ドイツといった先進国の代表的な株価指数に連動するCFDなら、一企業の株式と違って破綻する心配もありません。

株価指数を一つ購入するだけで、数百社の優良企業に分散投資しているのと同じことになります。通常のETFや投資信託でも株価指数は取引できますが、株価指数CFDであれば、10~30倍のレバレッジで運用することができます。

長期的に見れば、株価指数は上昇傾向にあります。過去のチャートを見ても明らかです。もちろん株価は下落もあります。資金管理、リスク管理をしっかり行えば、株価が上がったり下がったりすることで、自動売買なら利益を出すことができるのです。

USD/JPYなどの為替や原油などの商品指数は、将来的に上昇傾向にあるかどうかは不明です。株価指数は長期で考えれば下落するのは一時的で、株価はいずれ元の値段に戻ってくる可能性が大きいと言えます。

  • 株価指数は破綻する心配がない
  • 一つで数百社の優良企業に分散投資ができる
  • 長期的に見れば、株価指数は上昇傾向

初心者には日経225とFTSE100

株価指数CFDの中でも初心者におすすめなのは、日経225、FTSE100のCFDです。メジャーな指数で、情報も入りやすいですし、買いポジションを保有しているだけで年間配当相当額を受け取ることができるからです。

少ない予算で自動売買をスタートしたい人には、FTSE100を選ぶのがベストです。FTSE100は、株価が他と比べて安いので、1枚の購入資金が少なくてすみます。配当利回りも日経225より高めです。

下の表は過去の配当金の実績です。金利手数料が発生する場合は、配当金から金利手数料を引いてあります。配当利回りは、必要証拠金に対する利回りになります。

2018年 年間配当 必要証拠金 配当利回り
くりっく株365
日経225
40,834 59,300 68.8%
くりっく株365
FTSE100
22,216 26,000 85.4%
GMOクリック証券
日経225
4,750 19,794 23.9%
GMOクリック証券
FTSE100
3,711 9,307 39.8%
2019年 年間配当 必要証拠金 配当利回り
くりっく株365
日経225
43,750 52,470 83.3%
くりっく株365
FTSE100
23,142 26,000 89%
GMOクリック証券
日経225
5,020 23,436 21.4%
GMOクリック証券
FTSE100
3,468 10,804 32%
2020年 年間配当 必要証拠金 配当利回り
くりっく株365
日経225
41,885 64,230 65.2%
くりっく株365
FTSE100
15,426 19,770 78%
GMOクリック証券
日経225
5,300 27,442 19.3%
GMOクリック証券
FTSE100
3,310 9,055 36.5%

単位:円

手順③:自動売買をする証券会社を選ぶ

CFD自動売買システムを利用したい場合

FX自動売買のように、一度注文を設定すれば、自動でリピートしてくれるシステムをCFDでも可能にしているのは、ひまわり証券マネースクエアの二社です。この二つの会社では「くりっく株365」の自動売買システムを提供しています。

くりっく株365の自動売買運用は最低100万円は必要

くりっく株365の最小単位(1枚)は株価指数×100円です。

日経225CFDまたはFTSE100CFDを1枚購入して、株価が1,000上がると100,000円の利益、1,000下がると-100,000円の損失です。

2019年1月に日経平均は24,500円から19,000円へと5,000円以上下落しました。2020年のコロナショックでは24,000から16,000へと8,000円下落しています。これくらいの下落に耐えられるようにするには、日経225CFD1枚あたり少なくとも50~80万以上は必要です。

FTSE100の場合は7,800から6,600へと1,000以上下落しました。コロナショック時は7,700から4,800へと約2,000下落しました。これくらいの下落に耐えられるようにするには、1枚あたり少なくとも15~20万以上は必要です。

自動売買では、何枚もポジションを保有することになるので、リスク管理の点から、くりっく株365の自動売買は、運用資金を100万以上用意できる方にしかおすすめできません。

くりっく株365のNYダウは最小単位が【株価指数×10円】に変更

くりっく株365のNYダウが最小単位(1枚)は株価指数×10円に変更になりました!

これはかなり良いニュースです。これにより、1枚当たりの必要証拠金も6,000~7,000円です。FTSE100より少ない金額で取引が可能になります。

NYダウを1枚購入して、株価が1,000上がると10,000円の利益、1,000下がると-10,000円の損失です。

NYダウはコロナショック時に、29,000から18,000へと約10,000以上下落しました。これくらいの下落に耐えられるようにするには、1枚あたり少なくとも10万以上は必要です。

手動で自動売買を行う場合

ひまわり証券かマネースクエア以外の会社でCFD自動売買を運用する場合は手動になります。

少額でスタートするならGMOクリック証券の株価指数CFD

少ない予算でスタートしたい場合、私が実際に運用しているGMOクリック証券の株価指数CFDをおすすめします。GMOクリック証券は店頭CFDの最大手です。

最小単位は株価指数×10円なので、くりっく株365と比較すると1/10です。日経225が1,000円下がると-10,000円の損失です。5,000円の下落に耐えるためには、1枚あたり80,000円以上が必要です。

手動の場合、最初にイフダン(IFO)注文を設定した間隔で数本を出して、注文が決済されたら、同じ注文をもう一度出します。自動でリピートしてくれないので、手動でリピートさせるわけです。

イフダン注文(IFD)とは

新規の「買う注文」とその後の「決済売りの注文」の2つを同時に発注することをIFD注文と言います。
①1,000円で買う 約定したら ②2,000円で売る という流れを一本の注文で出します。

①と②に追加で、約定後に500円まで価格が下がったらで損切るという③逆指値注文も追加して、3つを同時に発注することをIFD-OCO注文といいます。

イフダン(IFO)注文画面

くりっく株365の自動売買システムと比べると、手動は手間はかかりますが、コストが安いメリットもあります。
売買手数料は無料
くりっく株365よりスプレッドが狭い

証券会社を選ぶポイント
  • 手動は面倒なので完全自動がいい → ひまわり証券かマネースクエア
  • コストを抑えたい → GMOクリック証券
  • 運用資金が100万以下なら → GMOクリック証券

手順④:運用資金額に合わせて自動売買の設定の決める

運用する予算も決まって、CFDを選んだら、次は自動売買の設定を決めます。予算に対する設定の決め方を説明していきます。

設定に必要な6項目を決める必要があります。
決めた設定の必要資金が予算内におさまればOKです。

  1. 注文を出す間隔
  2. 利益を確定する幅
  3. 上限レート
  4. 購入単位
  5. 何本注文を出すか、自動売買を設定する範囲
  6. 損切り設定の幅

予算20万円の自動売買設定

自動売買を少額から始めるという前提なので、予算は最低ラインの20万円、FTSE100CFDを選んだ場合で設定を考えていきます。予算的にもこの場合は店頭CFDを手動で利用することになります。

必要な運用資金は「必要証拠金」と「最大含み損」の合計よりも多くなければいけません。この場合、「必要証拠金」と「最大含み損」の合計が20万以下になればいいのです。

必要資金+最大含み損<運用資金

自動売買の運用に必要な資金を計算する方法として、私は下のようなエクセルで作ったオリジナルのリスク(損失)を見える化した「リスク試算表」に設定情報を入力して、最大含み損必要証拠金を計算しています。

表はFTSE100で、7000~6600の間に、100間隔で1枚づつ自動売買注文を設定した場合です。損切りは-2,000で設定しています。

必要証拠金の計算方法

【価格】×【枚数×0.1】×ポンドレート×【0.1(証拠金率10%)】

GMOクリック証券の場合、最大含み損の代わりとして任意証拠金を必要資金に加える必要があります。ロスカット幅はGMOクリック証券が各CFDごとに公表してます。2020年5月末ではFTSE100のロスカット幅は「308.5」でした。

任意証拠金の計算方法

(【価格】-【損切価格】-【ロスカット幅】)×【枚数×0.1】×ポンドレート

ポンドのレートで証拠金や含み損は変わりますので、GBP/JPY=135円で計算を入れてあります。

購入価格 含み損
(6600の時)
損切価格
(価格-2,000)
任意証拠金 必要証拠金
7,000 -5,400 5,000 -22,835 -9,450
6,900 -4,050 4,900 -22,835 -9,315
6,800 -2,700 4,800 -22,835 -9,180
6,700 -1,350 4,700 -22,835 -9,045
6,600 0 4,600 -22,835 -8,910
合計 -13,500 - -114,176 -45,900
  1. 含み損:-13,500円
  2. 必要証拠金:-45,900円
  3. 任意証拠金:-114,176円
  4. 必要資金の目安:13,500 + 45,900 + 114,176=173,576円以上

※GBP/JPY=135円で計算しています。

必要資金は予算20万円におさまりましたので、運用可能な設定と言えます。

「損切り」はどうやって決めるの?という疑問が出たと思います。

損切りはしない前提で運用をしたいのですが、必要資金を計算するためには、どれくらいの下落に耐えられる設定にするか、下限を決めなくてはなりません。株価指数の場合、以前は約30%の下落を目安に決めていました。今回の設定でも7000の約30%である2000下がった価格を損切り価格に設定しています。

しかし、コロナショックを経験してから30%では足りないと感じるようになりました。コロナショックでFTSE100は約1ヶ月で高値7,547から安値4,841へ35.8%急落しましたから。。。。

これを教訓に実際の運用ではもっと慎重になるべきだと考えています。私が実際に運用している設定については、CFD自動売買設定の記事を参考にしてみてください。

自動売買設定のカスタマイズ方法

予算20万円くらいだと、そんなにバリエーションはありませんが、予算が多ければ同じ予算でいろいろな設定が考えられます。

設定に必要な6項目を変更していくのです。

リスク試算表をカスタマイズすれば、いろいろな設定の必要資金が計算ができます。エクセルの知識が必要になりますが、一つ基本形をつくれば、あとは行を追加したり、損切りの価格、必要証拠金を変更するだけです。

くりっく株365の自動売買であれば、システムを提供している会社が必要資金の計算ツールを無料で提供しています。

マネースクエア社はCFDのトラリピ®運用試算表という試算ツールを公開しています。設定を入力すると必要証拠金額やロスカットが発動するレートを計算できるので、いくら資金が試算できます。

ひまわり証券は目安資金早見表という試算表を公開しています。予算にあった自動売買のプランが表になっています。

手順のまとめ

CFD自動売買を始める手順を①~④まで解説しました。

私の考える設定は、安全に運用するために、必要資金が多めになっています。資金効率が悪い!と思われるかもしれません。

まずは自分でプランを作ってみて下さい。設定幅、注文間隔、損切り価格などを自由に設定してみてください。もちろん、30%の下落を想定するかどうかも自由です。10%で十分と考えるなら、10%下落まで耐えられる計算で資金を用意すればいいと思います。納得できる設定が見つかったら、いよいよCFD自動売買のスタートです!

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