FXで自動売買を始めるためには、まずFX会社に口座を開かなければできません。FX会社といっても、たくさん会社があるので、どの会社で口座を開いたらいいのか迷います。
今回は自動売買を前提にしているので、私が利用している4社の特徴、メリット、デメリットを紹介していきます。利用してみないとわからないこともありますので、運用中の会社のみ紹介します。
目次
各社のサービスは、日々進化していますので、口座を開設する前にホームページなどで必ず情報を比較して見ることをお勧めします。
どの会社もこぞってシステムを改良しているので、最新の情報でないと意味がありません。
- スワップが高い
- スプレッドが安い
- 手数料が安い
- 会社の規模や信用力
- 便利なツールがある
以下の4社を比較していきます。会社の規模や信用力については、問題ないのが前提で紹介します。
FX会社 | スプレッド | スワップ 米ドル |
通貨種類 | 取引手数料 |
外為オンライン iサイクル |
1銭 | 0円 | 26種類 | 片道20円 |
アイネット証券 ループイフダン |
2銭 | 7円 | 20種類 | 0円 |
インヴァスト証券 トライオートFX |
0.3銭 | 7円 | 17種類 | 片道20円 |
マネースクエア トラリピ |
4銭 | 1円 | 13種類 | 0円 |
※2021年5月のデータです。
※上記は「自動売買の場合」の数字で、通常の取引とは異なることがあります。
※スワップは米ドル1万通貨(買)の1日あたりの金額です。
FXでは、「売り」「買い」で値段が違います。その差をスプレッドと呼ぶのですが、要は取引手数料です。スプレッドは小さいほうが手数料が安いと言えます。スプレッド1銭の場合、1,000通貨なら10円、10,000万通貨なら100円の手数料と計算できます。
表の数値を見ると、米ドルで自動売買をするなら、取引手数料が0円でスプレッドが2銭、スワップが一番高い「アイネット証券」がおすすめと言えます。確かにそうなのですが、各会社には、それぞれ利点があり、自動売買の設定で何を重視するかによって利用価値の高いFX会社が変わってきます。
次は、利用している私だからわかる、各会社の特長を紹介していきます。
【外為オンライン】の通貨は26種類。徹底的にリスク分散できる
26種類の通貨ペアから自動売買ができるのは、外為オンラインのiサイクルです。他社にはない通貨が選べるので私には外せない会社です。
EUR/CAD、EUR/NZD、GBP/NZDの自動売買は他の会社ではできません。
1.米ドル/円 2.ユーロ/円 3.英ポンド/円 4.豪ドル/円 5.NZドル/円 6.カナダドル/円 7.スイスフラン/円 8.南アフリカランド/円 9.トルコリラ/円 10.ユーロ/豪ドル 11.ユーロ/カナダドル 12.ユーロ/スイスフラン 13.ユーロ/英ポンド 14.ユーロ/NZドル 15.ユーロ/米ドル 16.NZドル/米ドル 17.米ドル/カナダドル 18.メキシコペソ/円 19.英ポンド/豪ドル 20.英ポンド/スイスフラン 21.英ポンド/NZドル 22.英ポンド/米ドル 23.豪ドル/スイスフラン 24.豪ドル/NZドル 25.豪ドル/米ドル 26.米ドル/スイスフラン
円とペアの通貨は、だいたい同じような動きをするので十分なリスク分散はできません。
AUD/JPY、NZD/JPY、EUR/JPY、CAD/JPYなどは、円が買われるショック相場、リスクオン時には全て下落してしまいます。
いろいろな通貨に分散できるのは素晴らしいことなのです。
トレンドを追いかけて売買を続けてくれる
自動追従機能はiサイクルの特長です。自分が設定したレンジを外れてしまったら、普通のシステムは売買しなくなります。
しかしiサイクルなら自動で追従しながら取引してくれます。レンジを外れて上昇トレンドになったときには利益を逃さない便利な機能です。
レンジを外れて下落した場合にも、高値のポジションを損切りして、新たにポジションを買っていきますので、リセットしながら売買を続けてくれます。
デモ口座が使える
外為オンラインでは無料でデモ口座が開けます。私はデモ口座は活用すべきだと思います。無料でいろいろな自動売買の設定が試せるのです。買い物だって、習い事だって、まずは試してみてから決めたほうが成功率があがりますよね。
デモで練習してから本番取引することもできますし、自分の設定がどれくらいの利益・含み損を生むかシミュレーションすることもできます。
外為オンラインのデモ口座はスマートフォンでも利用できます。それからデモ口座では最低取引数量が1万通貨~になっていますので、1,000通貨単位でのデ ができないのは残念な点です。
運用管理がしずらい
iサイクルのデメリットは、運用の管理がしずらいところです。
私はいろいろな設定の自動売買を少しずつ増やしていく運用をしているので、同じ通貨の自動売買を数セット同時に行います。iサイクルでは、ポジションが通貨種類ごとに一緒になってしまい、自動売買ごとにポジションや利益が管理できないので、同じ通貨で何セットも自動売買を運用する場合は不都合なのです。
ですから、他の会社にない通貨ペア限定で、自動売買を行っています。
【アイネット証券】は細かい設定をしたくない人向け。
用意されている自動売買プランから選んでいくだけ簡単設定がお好みなら、アイネット証券のループイフダンです。
ループイフダンでは、このようなプランが各通貨、各間隔、買い・売りで用意されています。B20(買い・10銭間隔)とかS15(売り・15銭間隔)とか。自分の予算に合わせてプランを選ぶだけです。いろいろな設定を考える必要はありません。
超初心者にもやさしいサービス
ループイフダンは、超初心者にでもわかりやすい自動売買システムと言えます。投資信託を買っている人には馴染みやすいかもしれません。イメージとしては、投資信託の銘柄を選ぶように自動売買設定を選ぶような感じです。アイネット証券のホームページでのループイフダンについての説明も、詳しくて大変わかりやすいです。FX自動売買の仕組みも理解しやすいと思います。
トレンドを追いかけて売買を続けてくれる
ループイフダンもiサイクル同様に自分が設定したレンジを外れてしまったら、自動で追従しながら取引してくれます。
レンジを外れて上昇トレンドになったときにはレンジが上に移動して追随していきます。レンジを外れて下落した場合にも、高値のポジションを損切りして、新たにポジションを買ってレンジを下に移動させてついていきます。
取引手数料も無料で、スプレッドは米ドルの場合2銭です。細かい値幅で、ガンガン売買をリピートする設定には向いています。
スワップがかなりいい!
アイネット証券は、スワップポイントが高めの会社です。自動売買では必ずポジションをしばらく保有することになりますので、スワップは重要ポイントです。スワップの違いで利益に差がでます。
少なくとも、運用したい通貨のスワップを比較して、高いところを選ぶことをおすすめします。
米ドルのスワップが50円の場合、10,000通貨保有していれば一か月1,500円のスワップが受け取れます。米ドルが塩漬けになってしまっても、米ドル持っているだけスワップ運用できちゃいます。下落トレンド傾向の高金利・新興国通貨よりも安全です。
米ドルを10,000通貨保有していれば一か月1,500円のスワップ
年間でスワップ18,250円
米ドルの10,000通貨の証拠金は約44,000円なので、年間利益が18,250円なら悪くない数字ですよね。
しかし、残念ながら2021年現在、世界各国が低金利政策を実施しているため、スワップにはほとんど期待できません。
誰でも利用できる便利なツール
アイネット証券のホームページに公開されている「目安資金表」「レート変動幅確認表」はとても便利です。口座を開かなくても誰でも見れます。
目安資金表
「目安資金表」では各設定、各通貨での損失と必要金目安が一覧表になっており、必要な資金が一目でわかるようになっています。自分の予算から、最適なプランを選ぶことが可能です。
(アイネット証券ホームページより)
レート変動幅確認表
「レート変動幅確認表」は各通貨の過去の変動値幅を一覧表にしています。3ヶ月、1年、3年、5年、10年の変動幅が一目でわかります。各通貨が過去にどれくらい変動したのか、知っておくことは非常に重要です。ロスカットされない設定にするは必須情報になります。
(アイネット証券ホームページより)
デモ口座が使える
アイネット証券もデモ口座が無料で使えます。ループイフダンで用意されているプランが試せるので、どのプランがどれくらい利益を出すのか確かめることができます。自分のお金では試しづらい「売り注文」、「両建て設定」など私は活用しています。こちらのデモ口座もスマートフォンでも利用できます。
【トライオートFX】は好きなようにカスタマイズできる
インヴァスト証券のトライオートFXには、初心者向けに「自動売買セレクト」という過去の成績を見ながらプランを選べるシステムが用意されていますが、「トライオートFX」の一番の魅力は、自由に自動売買設定をカスタマイズできることです。
自動売買になれてきて自分なりに自動売買をカスタマイズしたいと思うのなら、トライオートFXがおすすめです。他社ではできない設定のカスタマイズができます。
私が主に活用しているカスタマイズは、利益幅と損切り幅です。次で紹介していきます。
カスタマイズしない設定例
- 設定する幅:10円(100~110円)1円間隔で11本の注文
- 決済ルール:1円上がったら決済 利益1,000円
- 損切りルール:11円下落 -11,000円の損失
利益幅が自由に決められる
カスタマイズできない設定では、注文間隔と利益幅が同じになるパターンが多いのです。
1円間隔で注文を出した場合、決済も1円になる場合が多いのですが、注文間隔は1円のままで、「2円上がったら決済する」というような利益幅を大きくする注文が、トライオートでは自由に設定できます。逆に0.5円上がったら決済するというような利益幅を小さくすることもできます。
各通貨によって、利益が伸ばせる決済幅があるのです。同じ設定でも、利益幅を変えることによって、利益がに違いが出ます。こういうことは、シミュレーションやデモ口座でテストすると検証できます。
ですから、決済幅は調整できたほうが絶対いいです。
損切り幅が自由に決められる
カスタマイズできない設定では、損切り価格は設定幅で決められて、設定幅を超えると損切りになります。上の例のような場合、設定幅は10円で最大11本の注文があります。110円から10円下がって100円になると、11本の注文がすべて約定し、11円下がった99円のところで110円のポジションの損切りが発生します。
しかしトライオートの場合は、自由に設定できます。損切り幅が11円では不安だから、もっと幅広く20円にしたい、とか可能です。
ちなみに米ドルの過去20年で1年間の平均変動幅は約17円です。
このデータからすると、長期で自動売買を継続した場合に、11円の変動幅を超えて損切りされる可能性は高いと言えます。今後も必ずそうなるとは言えませんが、過去のデータは非常に参考になります。
逆に損切り幅をあえて狭く設定して、少ない資金で自動売買を行うケース(短期でハイリスクハイリターンを狙うような設定)もあるでしょう。
いずれにしても、損切り価格を自由にできることは素晴らしいと思います。
トレンドを追いかけて売買を続けるかどうか選べる
iサイクルやループイフダンは、レンジを外れても、レンジを移動して自動で追従していきますが、追従したくないという人もいますよね。
トライオートではそれも自由に選べます。自分の予想する値段を超えて上昇、もしくは下落したら注文は発動しないで自動売買をストップすることができます。
高値掴みしたくないから上値を追いたくない人、想定外の下落相場では様子を見て取引したくない人、いますよね。
そんな人にはトライオートはおすすめです。
トライオートには、取引を続けるかどうかに、「セーフティ設定」という安全装置のようものがあります。これは、緊急事態が発生したときに自動売買をストップさせる機能です。
最大損失許容額、最大ドローダウン、上限価格、最大連敗数の中から自分で数値を設定して、設定数値を超えたら、自動売買がストップします。思わぬ相場急変での損失を限定的にしてくれます。
売買利益が瞬時にシミュレーション
デモ口座はありませんがインヴァスト証券には「ビルダー」という注文ツールがあって、そこでは注文したい設定で最大含み損、決済利益が過去に遡ってシミュレーションできます。
用意された設定ではなく、自分のオリジナルの設定でシミュ―レーションできるのが魅力です。
デモ口座では1年分のデータは1年たたないと得ることはできませんが、「ビルダー」なら瞬時にデータを取得できます。
利益幅、損切り幅は、どの設定がいいか、どれくらい利益を出すのか、シミュレーションできるのです。
とっても便利なツールです!これで私もガンガンシミュレーションしてます。いい設定を探し出すには欠かせません。
(インヴァスト証券ホームページより)
【マネースクエアのトラリピ】は自動売買の老舗
FX自動売買を世の中に浸透させた「トラリピ」。この名前は、自動売買の代名詞にもなりつつありますよね。これはマネースクエアが提供しているサービスです。
私が知っている限り、このようなFX自動売買システムを最初に始めたのは、マネースクエアではないかと思います。
昔は手数料が高いというイメージの会社でしたが、今は取引手数料は無料になりました!素晴らしい企業努力です。
マネースクエアは、自動売買に特化している老舗だけあってサービスがしっかりしています。ホームページにはトラリピのシステムをわかりやすく解説するコンテンツが豊富です。FX自動売買の仕組みを理解するにはまずここのサイトで勉強するのがいいのかなって思います。
利益幅が自由に設定できる
トライオートと同様にトラリピは、利益幅が自由に設定できます。トラリピの設定では、何円上がったら決済、というのではなく、いくらの利益で決済するか設定します。
1度の決済利益を500円とか1,000円とか、利益で設定するので、イメージがわきやすいです。
損切りはすべてのポジションを一括決済
トラリピと他社の自動売買と違う点は、損切り設定です。トラリピの場合は「ストップロスの設定」というところがあり、そこで設定した値段ですべてのポジションを一度に決済します。
設定例
- 設定する幅:10円(100~110円)1円間隔で11本の注文
- 一回の利益1,000円で決済(1円上がったら決済)
- ストップロスの設定 99円
この場合、99円になったら、11本すべて一括決済されます。ストップロスの損失額は-66,000円になります。この一括決済は、損失を最小限に食い止めるために有効なのだと言われています。
ポジションを少しづつ損切りしていく方法と一括損切り、どちらがいいのでしょうか?
これはケースバイケースだと思いますし、好みの問題であると思います。全てきれいに清算してリセットしてから再スタートするタイプなら一括損切り。どこで下げ止まるかわからないから、少しづつ損切りして、相場にしがみついて自動売買を継続するタイプなら少しづつ損切り、ですかね。
ちなみに私は、少しづつ損切りして自動売買を継続していく派です。だって相場がどこで反転するかわからないじゃないですか。一括損切りした直後、相場が反転したら、悔しくてたまりません。少しづつ損切りして下値をナンピンしていくのが私流です。
「運用試算表」という便利ツール
トラリピの運用試算表は自分の設定を考える時にはとっても役立つツールです。マネースクエアに口座を開いていないと使用できません。下のキャプチャを見てもらえばわかると思いますが、項目を設定していくだけで、必要な資金、ロスカットされる価格、すべて成立した時の評価損がシミュレーションされるので、リスク管理ができます。
トラリピは、初心者向け自動売買ツールですが、利益幅、損切り幅も好きなようにカスタマイズできます。運用試算表ツールがわかりやすいので、利益幅、損切り幅だけのカスタマイズだったら、トライオートでカスタマイズするより、簡単だと思います。
利益幅は、運用試算表の「1回のリピートでねらう利益は?」というところに好きな金額を入れるだけです。200円で決済とか、2,000円で決済したいとか。
マネースクエアを利用しているなら、自動売買をスタートする前に自分の設定をここで必ずチェックしたほうがいいです。
(マネースクエアホームページより)
「決済トレール」という独自の決済方法
トラリピには決済トレールという独自の決済方法があります。これを使うと自動売買の利益を伸ばせると言われています。
仕組みは、自動売買のレンジから上昇トレンドが発生した場合、設定したところでは売らずに上昇トレンドを追いかけ、上がりきるまで自動でホールドしてくれるのです。そして上がりきって少し下がったところで決済。利益を最大限に引き延ばす仕組みです。トレンドに弱い自動売買のために、考え抜かれた仕組みだと思います。
実際のところ、自分で検証していないので、使ったほうがいいのかどうか私の口からはっきり言えません。今度、じっくり検証してから、ブログに掲載していきたいと思います。
FX会社の選び方のまとめ
- 定番の設定がいい、細かく売買したいなら、手数料が安くてスワップが高いアイネット証券がおすすめ
- 自動売買をカスタマイズしたいならインヴァスト証券かマネースクエアがおすすめ
- マイナーな通貨でも自動売買したいなら外為オンラインがおすすめ
私は一つに決めずに何社にも口座を開いています。説明したように、それぞれにメリットとデメリットがあるので、設定によって最適な会社でやるようにしています。
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