「マネーハッチ(MONEY HATCH)」というサービスをご存知でしょうか。マネーハッチとは、インヴァスト証券が提供しているサービスで、積立で自動売買を運用できるサービスです。しかも、元手資金は0円からスタートできるのです。
私は現在、法人と個人名義でインヴァスト証券に口座を開設しており、2種類のマネーハッチを運用しています。
元手資金は0円からスタートできる、積立で自動売買が運用できる、利益を再投資するので複利運用ができる、そんなマネーハッチの仕組みや運用方法について解説していきます。
マネーハッチを始めるにはインヴァスト証券のトライオートETFの口座が必要です。
目次
マネーハッチとは?
マネーハッチの「MONEY HATCH」は、「お金をふ化させる」という意味があるのだそうです。インヴァスト証券の説明に書いてありました。
英語だと馴染みのある言葉ではありませんが、日本語の意味を知ると、お金を増やしていくようなイメージがわきますよね。
ETFの自動売買システムは私の知る限りではインヴァスト証券の「トライオートETF」だけだと思います。そのETF自動売買を、少しづつ積立で増やしていけるのがマネーハッチです。
ETF自動売買について、まだよくわからない場合はこちらの記事を参考にしてみてください。
マネーハッチのメリット
マネーハッチを利用するメリットを紹介します。トライオートETFで自動売買運用するのとどう違うのでしょうか?
マネーハッチのメリット
- 元手資金は0円からスタートできる
- 取引最小単位がトライオートETFの1/10
- 積立で少しづつ自動売買を増やしていける
- 積立額は月500円から設定できる
- 手数料は無料
元手資金は0円からスタートできる仕組み
なぜ元手資金が0円でスタートできるのしょうか?
それは、ポイントやキャッシュバックを使って運用資金を貯めることができるからなのです。
多くの人はクレジットカードを利用していますよね。そのカードをインヴァストカードにすることで、1ポイント1円として運用資金にまわすことができます。ポイント還元率は1.00%なので、毎月10万くらいカードを利用する人であれば、月1,000円貯まります。
残念なことに、2020年11月からポイント還元率が1.00%から0.50%に変わります。これにはかなりショックでした。。。
その他にも、インヴァスト証券のサービスであるトライオートFXやシストレ24、くりっく365、FX24を利用することでキャッシュバックが発生します。1万通貨あたりの取引で1円キャッシュバックが発生します。そのお金も運用資金に回すことができるのです。
こうしたポイントやキャッシュバックを活用することで、初めにお金を用意しなくても運用はスタートできるというわけなのです。
積立原資
インヴァストカードのポイント
トライオートFX、シストレ24、くりっく365、FX24のキャッシュバック
取引最小単位がトライオートETFの1/10
カードのポイントやキャッシュバックが月に1,000円くらい貯まったところで、自動売買の運用ができるの?と思うかもしれませんが、マネーハッチならできるのです。
最小取引単位がトライオートETFの1/10なので、1,000円あれば買うことができます。
銘柄にもよりますが、世界株ETFの場合、最小証拠金は850円、世界株ETFレバレッジ1.5倍の場合、最小証拠金は567円で取引できます。
最小証拠金
世界株ETF:850円
世界株ETFレバレッジ1.5倍:567円
積立で運用を少しづつ増やしたいと思っても、通常のCFDやETF自動売買のように最低取引単位が高額では、積立運用はなかなか活用できません。月に1,000円くらいからスタートできるのは、非常にありがたいシステムと言えます。
積立で少しづつ自動売買を増やしていける
自動売買の初め時ってけっこう悩みますよね。高値圏でスタートしたくないから下がるのを待っているとなかなかスタートできない。下がり始めると、どこまで下がるか不安でスタートできない。ある程度まとまったお金を用意しないと始められないし。
結局なかなかスタートできない。。。
CFDの自動売買は、取引金額が大きいので、自動売買を始める時期は慎重になってしまいます。私も日経225CFDでは、どこでスタートさせるか、かなり悩まさせられました。
そんな悩みを持っている人には、積立方式はおすすめです。ドルコスト平均法を自動売買でも活用できるので、スタート時期を気にする必要もありません。
自動売買システム全般において、一定の金額を積立で定期的に自動売買を増やしていくようなシステムは、マネーハッチ以外ではないのではないせしょうか。もしかしたら、今後、他の会社でもサービスを開始するかもしれませんね!
積立額は500円から設定できる
カードのポイントやキャッシュバックだけでなく、自分の決めた金額を定期的に積み立てることもできます。
月に1回、銀行から自動引き落としで設定することができます。銀行引き落としの場合、最低金額は1万円からになります。
1万円も積立は無理!、もっと安い金額にしたい場合は、トライオートETFから自動振替を選ぶといいです。トライオートETFの口座にいくらか入れておけば、設定した金額が自動でマネーハッチに振替られます。しかも最低金額は500円からなので、ありがたいですよね。振替は週に一度か月に一度か選択もできます。自動売買の買付を頻繁に行いたい場合は、週次を選択することで可能になります。
積立方法
銀行引き落とし:最低10,000円~(月次)
トライオートETFから自動振替:最低500円~(週次か月次)
手数料は無料
便利なシステムには手数料がつきものです。投資信託などの積み立てでは、いろいろな手数料が取られると思いますが、マネーハッチでは以下の手数料は無料です。
管理報酬 | 0円 |
売買手数料 | 0円 |
両替手数料 | 0円 |
入出金手数料 | 0円 |
カード年会費 | 初年度0円 翌年度 利用1回で0円 |
上記の手数料は0円ですが、まったくコストがかからないというわけではありません。
次のデメリットでマネーハッチのコストについて説明します。
マネーハッチのデメリット
マネーハッチは良いことばかりではありません。デメリットもあります。自動売買を運用するにあたって私がマネーハッチに感じるデメリットを紹介します。
マネーハッチのデメリット
- 長期保有すると金利が負担になる
- スプレッドが広い
- 銘柄は1種類しか選べない
金利とスプレッドが大きい負担
金利とスプレッドに関しては、マネーハッチだけではなくトライオートETF全般に言えることです。
マネーハッチはトライオートETFを活用したシステムなので、トライオートETFの取引条件と同じになります。
トライオートETFなどCFD商品では「金利コスト」がかかります。ポジションを保有している間、金利が発生して、支払いが生じるのです。
FXでいうところのマイナススワップみたいなイメージですね。
この金利については、トライオートETFをはじめとするCFD商品を運用している方なら分かると思いますが、ポジションを長期保有するとけっこうダメージがありますね。
マネーハッチの投資先はインヴァスト証券のトライオートETFというCFD取引口座です。CFDは海外ETFであっても元本為替リスクなく取引ができる仕組みですが、その分ヘッジコストとして建玉に対して金利が発生します。そのコストは保有ポジションに対して年間で0.9%+Liborとなります。Libor(ライボー)とは各国通貨調達にかかる変動する金利のことです。
例えば合計で2.00%の金利の場合には1万円分のETFに対して年間約200円の計算となります。 計算しているシミュレーションには金利コストも計算に入っております。
<積立投資の金利計算方法>
保有しているETFの前週木曜日の終値 * 保有口数 * (0.9%+Libor) * 付与日数/365※1
出典元:インヴァスト証券
その他に売値と買値の差額「スプレッド」もあります。これは売買手数料みたいなものです。残念ですがトライオートETFのスプレッドは他社のCFDと比べて広いと思います。
例えば日経225で比較すると、トライオートETFのスプレッドは180円。GMOクリック証券の日経225なら5円くらいです。
金利負担もGMOクリック証券なら0円で、かつ、買いならポジションを保有しているだけで価格調整金という配当相当額が受け取れます。
日経225 | スプレッド | 金利負担 |
トライオートETF | 180円 | 年間で0.9%+Libor |
GMOクリック証券 | 5円 | 0円 買いの場合配当相当額がもらえる |
金利負担とスプレッドが軽減したら、もっと利益が増えるだろうとなぁと思います。しかし便利なサービスにはコストは付き物です。
メリットとデメリットを比較して、金利コスト、スプレッド以上のメリットはあると思って私は運用しています。
GMOクリック証券の場合は自動売買システムを提供していないので手動で売買することになりますし、マネーハッチのように少額からスタートすることはできません。
あと、デメリットというか要望に近いのですが、マネーハッチでは銘柄は1種類しか選べないところは残念な点です。複数選べるとリスク分散できるし、もっと幅が広がるなと感じました。
サービスのメリットとデメリットを理解した上で、運用することが大事!
マネーハッチで運用できる銘柄
マネーハッチで運用できるETFは4種類です。世界株式、アメリカ株式、日本株式、債券の4ジャンルの代表的ETFです。その中でもレバレッジ「あり」と「なし」が選べるので、全部で8種類のETFから一つを選ぶことになります。複数を選択することはできません。
レバレッジは低く設定されており、高利回り社債ETFの2倍が最大です。
買付がスタートされるには、最小証拠金が貯まってからになるのですが、銘柄によっては最低積立金額が設定されており、それ以上たまらないと運用できないルールになっていました。
銘柄 | 最低積立金額 | 最小証拠金 |
世界株ETF | なし | 850円 |
世界株ETF 1.5倍 | 1万円 | 567円 |
S&P500ETF | なし | 3,550円 |
S&P500ETF 1.2倍 | 1万円 | 2,959円 |
日経225ETF | なし | 2,400円 |
日経225ETF 1.2倍 | 1万円 | 2,000円 |
高利回り社債ETF | 10万円 | 900円 |
高利回り社債ETF 2倍 | 10万円 | 450円 |
各ETFについて簡単に説明します。
世界株ETF
世界株ETFは、「MSCI ACWI(All Country World Index)」全世界の株価指数に連動するETFです。23の先進国と23の新興国の大型および中型株を組み込んでおり、世界全体の85%の時価総額を包括しているとされています。世界経済の成長を表す指数なのです。
S&P500ETF
アメリカを代表する株価指数であるS&P500に連動するETFです。S&P500とは世界的に有力な企業500社、アップル、フェイスブック、ジョンソン&ジョンソンやコカ・コーラといったアメリカの有名企業で構成されています。アメリカ有名企業すべてに投資するのと同様の効果が得られるETFなのです。
日経225ETF
日経225ETFは、日経平均株価に連動するETFです。日本を代表する株価指数で、日本の優良企業225社で構成されています。日本の有名企業すべてに投資するのと同様の効果が得られるETFと言えます。
高利回り社債ETF
高利回り社債ETFは、米ドル建てハイイールド社債で構成されているETFです。格付けがBB以下で利回りが高い1000銘柄に分散されており、分配金利回りは約5%を実現しています。
マネーハッチの始め方
金融サービスを利用するためには、サービスを提供している会社の口座を開かないことには始まりません。まずはインヴァスト証券にてトライオートETFの口座を開く必要があります。
運用銘柄の8種類の中から一つ選びます。それぞれの銘柄は積立金の最低金額が決まっており、積立金がそこまで貯まらないと選択ができないものもあるので注意です。
私は現在、個人口座で「世界株ETF 1.5倍」、法人口座で「日経225ETF」を選択しています。トライオートETFで運用していないものを選んでみました。
下記のようなメニューがあるので選択するだけです。
インヴァストカードのポイントを利用する場合、銀行引き落とし、トライオート自動振替えなど、積立方法を選びます。複数の方法を選ぶことが可能です。
私は、インヴァストカードのポイント、トライオートFX・シストレ24・FX24のキャッシュバック、トライオートETFから月に2,000円の振替を登録しています。
過去の運用成績
気になるのはやはり運用成績ですよね。インヴァスト証券のマネーハッチのサイトでは積立金額ごとに運用結果をシミュレーションできます。
毎月1,000円積立で運用を続けた結果です。シミュレーション期間が銘柄ごとで違うのですが、日経225やS&P500はかなり収益率が高いことがわかります。積立てた金額の倍以上に増えていますね!
銘柄 | 全期間収益率 | 総資産 | 累計積立原資 |
世界株ETF | 58.34% | 237,503円 | 150,000円 |
世界株ETF 1.5倍 | 97.45% | 296,172円 | 150,000円 |
S&P500ETF | 113.61% | 608,787円 | 285,000円 |
S&P500ETF 1.2倍 | 145.50% | 699,687円 | 285,000円 |
日経225ETF | 112.62% | 489,037円 | 230,000円 |
日経225ETF 1.2倍 | 143.91% | 560,982円 | 230,000円 |
高利回り社債ETF | 9.31% | 175,986円 | 161,000円 |
高利回り社債ETF 2倍 | 21.32% | 195,329円 | 161,000円 |
下記は運用結果のグラフです。緑が資産推移で、青が実際に積立てた金額の合計です。
(グラフはすべてインヴァスト証券ホームページより)
世界株ETF
世界株ETF 1.5倍
S&P500ETF
S&P500ETF 1.2倍
日経225ETF
日経225ETF 1.2倍
高利回り社債ETF
高利回り社債ETF 2倍
実際の運用成績
長期で運用すればけっこういい感じなのはわかりましたが、実際の私の運用のほうは?と言いますと。。。まだ始めたばかりなので、微々たるものです。
運用銘柄はこの2種類。一口座につき一種類なのですが、私は法人と個人で口座を持っているので、二つ選べます。
運用中の銘柄 | 積立原資 |
世界株ETF 1.5倍 | トライオートETF自動振替 月5,000円 インヴァストカードポイント トライオートFXキャッシュバック |
日経225ETF | トライオートETF自動振替 月5,000円 トライオートFXキャッシュバック |
各口座で毎月5,000円をETF口座から自動振替しています。
世界株ETF 1.5倍は2020年に運用スタートしてから2022年1月現在、積立原資は91,599円貯まっており、実現損益は+10,628円でした。
インヴァストカードのポイント分が結構貯まってますね。
インヴァストカードで月に約10~15万円くらい使うので、ポイント還元率が現在0.5%なので、毎月600~700円貯まります。
【世界株ETFの積立金額内訳】
毎月の積立資金、カートのポイント、利益からの再投資で、少しづつ利益を増やしています。2021年8月までは、月間300円から400円の利益でしたが、その後は月1,000円くらいになってきました。
2021年12月の決済利益は最高額の3,008円!世界株ETFは好調です。
【世界株ETF月間利益】
日経225ETFの方は、世界株ETFに比べると劣ってしまうのですが、着実に増えています。
マネーハッチの最新の運用成績はこちらにまとめています。
マネーハッチを始めるにはインヴァスト証券のトライオートETFの口座が必要です。
少額でスタートできるマネーハッチは、CFD自動売買の初心者にはぴったりだと思います。
マネーハッチの名義は私ですが、自分の娘用口座として長期的に運用していこうと考えています。月に5,000円ならそこまで負担にもならないですし、レバレッジが1.5倍なので、リスクもそんなに高くないですしね。
積立運用は長期で見ないと評価できないので、今のことろ良い悪いは言えない状況。今後どれくらい増えていくのか、自分のトライオートETF運用とも比較しながら検証していきたいです。