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FX自動売買の利回りを検証【外貨ペア版】

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FX自動売買の【利回り】

AUD/USD、AUD/NZDのような外貨ペアでのリピート系自動売買は、クロス円通貨と比べてどれくらい稼げるの?利回りはどれくらい?と思っている人のために、8種類の外貨ペアの自動売買で年間どれくらいの利益が出せたのかをまとめました。

USD/JPY、AUD/JPYといった対円通貨で自動売買されている方は多いと思いますが、GBP/USD、EUR/AUD、USDCHF、EURGBPなどあまりメジャーではない通貨の自動売買を運用している人は少ないのではないでしょうか。

しかし、これらの通貨は、クロス円とは別の動きをするので、リスク分散になりますし、利回りが高いものもあり、意外とおすすめなのです。

検証内容

  • 検証期間は2018年8月~2019年7月の一年間
  • 30pips、50pips、100pips間隔の自動売買
  • 「買い」と「売り」の両方で検証
  • 決済損益、スワップ、利回りを計算

どの通貨もお同じ条件にするため、購入は1,000通貨単位、設定幅は1,500pipsで統一しています。

必要資金の出し方は、レートが1,500pips幅を超えてしまい、損切が発生する時の最大含み損と必要証拠金の合計になっています。詳しい計算方法はリスク管理の方法についての記事を参考にしてください。

利回りについての説明は対円通貨の利回りの記事で説明していますので、そちらを参考にしてください。

AUD/USDの運用実績と利回り

買いの自動売買では、マイナススワップが負担となり、売りと比べると利回りが下がってしまいました。

AUD/USDは「売り・50pips間隔」の利回りが13.7%で高かったです。AUD/JPYと比較すると、変動が小さいため利益も少ないです。

【買い】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 43,987 -11,257 2,728 580,580 5.6%
50pips 28,582 -6,721 1,822 251,780 8.7%
100pips 15,358 -3,425 994 180,180 6.6%
【売り】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 50,636 1,567 4,350 580,580 9.0%
50pips 33,608 970 2,882 251,780 13.7%
100pips 21,956 500 1,871 180,180 12.5%

(必要資金はUSDJPY=110円で計算)

NZD/USDの運用実績と利回り

AUD/USDと比べると、利回りは低く、NZD/JPYと比較しても利益は少ないです。

円とペアのAUDやNZDを売るとマイナススワップが負担になりますが、ドルとのペアではプラススワップなので、売りの自動売買がしやすいです。リスクオン相場などで、AUDやNZDの急落時にはヘッジになります。

【買い】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 44,388 -8,518 2,989 569,580 6.3%
50pips 29,180 -5,184 2,000 345,180 7.0%
100pips 14,332 -2,653 973 176,880 6.6%
【売り】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 46,316 1,722 4,003 569,580 8.4%
50pips 30,282 1,102 2,615 345,180 9.1%
100pips 18,687 543 1,603 176,880 10.9%

(必要資金はUSDJPY=110円で計算)

EUR/USDの運用実績と利回り

EUR/USDの買いでは、マイナススワップが大きく、利益もマイナスになってしまいました。特にここ最近は下落トレンドなので、その影響もあると思います。

現在はユーロとドルの金利差が大きいので、買いの自動売買は厳しいようです。

【買い】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 66,107 -63,977 178 675,180 0.3%
50pips 38,088 -40,519 -203 408,540 -0.6%
100pips 19,833 -22,003 -181 208,660 -1.0%
【売り】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 72,478 14,553 7,253 675,180 12.9%
50pips 45,976 8,925 4,575 408,540 13.4%
100pips 26,548 4,870 2,618 208,660 15.1%

(必要資金はUSDJPY=110円で計算)

GBP/USD

GBP/USDの自動売買は利回りがナンバーワンでした。「売り・100pips間隔」の自動売買では、利回り34.5%を実現しました。

マイナススワップもカバーできるくらいの利益です。

しかし、GBP/USDの場合、設定幅が1,500pipsでは長期的見るとに狭すぎて、そのうちレンジから外れて損切りされる可能性が高いです。通常は2,000~2,500pipsくらいは必要な通貨ペアです。その場合、利回りはもう少し下がります。

【買い】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 174,118 -54,538 9,965 699,380 17.1%
50pips 106,848 -32,079 6,231 423,060 17.7%
100pips 61,875 -15,968 3,826 215,820 21.3%
【売り】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 184,684 22,834 17,293 699,380 29.7%
50pips 113,525 14,519 10,670 423,060 30.3%
100pips 66,361 8,181 6,212 215,820 34.5%

(必要資金はUSDJPY=110円で計算)

EUR/AUDの運用実績と利回り

EUR/AUDの自動売買はGBP/USDについで利回りが高かったです。「売り・100pips間隔」の自動売買では利回りが26.7%です。

値動きが大きい通貨ペアなので、決済損益は買いも売りも多いですが、買いの場合はマイナススワップの負担が大きいので、利回りが下がります。EUR/AUDも設定幅が1,500pips幅で運用するには心配な通貨です。

【買い】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 127,370 -50,172 6,433 679,390 11.4%
50pips 83,043 -31,121 4,327 411,030 12.6%
100pips 47,720 -15,555 2,680 209,760 15.3%
【売り】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 131,545 33,108 13,721 679,390 24.2%
50pips 85,040 20,088 8,761 411,030 25.6%
100pips 45,765 10,235 4,667 209,760 26.7%

(必要資金はAUDJPY=80円で計算)

USD/CHFの運用実績と利回り

USD/CHFはEUR/USDと逆で、売りの場合はマイナススワップが大きく、利益もマイナスになってしまいました。売りの自動売買はあまりお勧めできません。買いの自動売買では、高い利回りを実現しています。

USD/CHFは変動幅が小さいので、スイス政府の大規模介入さえなければ、1,500pipsの設定幅で十分です。

【買い】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 54,362 21,879 6,353 639,486 11.9%
50pips 34,487 13,686 4,014 387,126 12.4%
100pips 18,894 8,327 2,268 197,856 13.8%
【売り】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 51,595 -55,741 -346 639,486 -0.6%
50pips 33,328 -34,903 -131 387,126 -0.4%
100pips 15,495 -17,311 -151 197,856 -0.9%

(必要資金はCHFJPY=112円で計算)

AUD/NZDの運用実績と利回り

AUD/NZDは値動きが小さいため、決済利益は他と比べると少ないです。

しかし、変動幅も小さいので、設定幅を1,000pips幅くらいにして必要資金を減らして、利回りを上げることも可能だと思います。金利差が小さいので、両建ての自動売買にもおすすめだと思いました。

【買い】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 35,358 -12,476 1,907 576,459 4.0%
50pips 22,229 -7,975 1,188 349,263 4.1%
100pips 10,792 -4,326 539 178,866 3.6%
【売り】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 37,140 1,777 3,243 576,459 6.8%
50pips 24,759 1,059 2,152 349,263 7.4%
100pips 13,287 532 1,152 178,866 7.7%

(必要資金はNZDJPY=73円で計算)

EUR/GBPの運用実績と利回り

EUR/GBPはヨーロッパ通貨のペアですが、意外と値動きが小さいです。ここ数年は高値圏で変動幅も小さいので、売りの自動売買であれば、設定幅を1,000pips幅くらいで運用して、利回りを上げることも可能だと思います。

【買い】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 76,302 -17,164 4,928 783,720 7.5%
50pips 47,161 -10,297 3,072 474,600 7.8%
100pips 25,230 -5,354 1,656 242,760 8.2%
【売り】
間隔 決済損益 SWAP 月間損益 必要資金 利回り
30pips 76,985 6,776 6,980 783,720 10.7%
50pips 48,232 4,094 4,361 474,600 11.0%
100pips 24,289 2,296 2,215 242,760 11.0%

(必要資金はGBPJPY=140円で計算)

外貨ペア自動売買の利回りについてまとめ

まとめ

外貨ペアでの検証では、「GBP/USD・売り・100pips間隔」は利回りが34.5%でトップでした。

GBP/USD、EUR/AUDは値動きが大きく、利回りが高いです。しかし、長期的にみると設定幅が1,500pipsでは、損切りが発生する可能性が高いので、幅を広げる必要があると思います。

AUD/USD、NZD/USDは、クロス円AUD/JPY、NZD/JPYに比べると値動きが小さく、利益が少ないという結果です。

クロス円では、間隔の広いほうが利回りが高かったのですが、値動きが小さい通貨の場合は、100pips間隔より、50pips間隔のほうが利回りが高い傾向になりました。

今回の集計からAUD/USDの売り、USD/CHFの買い、EUR/GBPの売り、AUD/NZDの両建ては、利回りが高めな自動売買なので、今後増やしていく候補になると考えています。

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