公益事業セレクト・セクター SPDR® ファンド(以後、公共事業株)は、アメリカの公益関連事業関連の大型株で構成されるETFです。電力、ガス、水道企業のほか、独立系発送電事業等を行う企業で構成されています。
公共事業株は不景気や景気後退の時期に強く、下げ相場でも、比較的下落が小さいところが特徴です。公共事業株ETFの自動売買設定や運用成績を紹介していきます。
公益事業セレクト・セクター SPDR® ファンドの自動売買ができるのはインヴァスト証券のトライオートETFです。
目次
公共事業株の20年長期チャート
(単位:米ドル)
公共事業株の長期での動きは、リーマンショック時に50%ほど大きく下落したました。
そして2020年のコロナショックでは約1か月で39%急落しました。
長期チャートを見るとわかりますが、為替と違って株価は、下がってもまた上昇していきます。長期では上昇するものです。大きく下落してもまた上昇するので、どんな下落でも自動売買を継続できる運用設定が大事だと実感しています。
公共事業株はどれくらい変動するのか
ETFの自動売買をするときに、運用するETFがどれくらい下落するのか知っておくと便利です。リスク管理で必要資金を計算するために、いくらの下落に耐えられる設定にするかを考える必要があるからです。
公共事業株ETFは、約20年間で大きい下落は5回ありました。その時の下落幅は表の通りです。
2000年 | 2008年 | 2015年 | 2017年 | 2020年 | |
下落幅 | -17.83 | -22.15 | -8.9 | -9.62 | -27.66 |
下落率 | -51.6% | -50% | -18% | -17% | -39% |
(単位:米ドル)
公共事業株の下落幅をみると20%の下落に耐えられる設定であれば、通常の大きな下落には耐えられると想定していました。
しかしコロナショックを経験し、それでは足りないと実感しました。
公共事業株の設定情報
コロナショックによりETF・CFDはすべて損切りしました。
損切りする前は公共事業株は以下の設定で自動売買を行っていました。しかし、3月にすべてのポジションを損切りし、確定損失-3,011円。
公共事業株は他のセクターと比べると損失は少ないです。当時、公共事業株はあまり上値を追いかけずに運用していたので、ポジションが少ないうちに損切りできたのが要因です。
1ドル間隔(買)
- 注文する間隔:1ドル間隔
- 注文本数:10本
- 購入単位:5
- 決済ルール:1ドル上がったら決済
- 損切りルール:18ドル下がったら損切り
ロスカットされないためのリスク管理・必要資金の計算方法
リスク試算表を使ってそれぞれの設定で必要資金、最大含み損を計算していきます。
運用中の自動売買の必要資金はいくら?
現在、公共事業株の自動売買は運用していません。以前運用していた1ドル間隔/5単位の自動売買の必要資金です。
設定間隔 | 必要資金の目安 | 最大含み損 |
1ドル間隔 | 150,000円 | -77,625円 |
必要資金の計算方法
以前運用していた1ドル間隔/5単位の自動売買で必要な資金を計算します。一番高値の約25%である18ドルの下落まで耐えられるよう、損切りは-18で設定し、公共事業株の価格が30ドルまで下落した時点での含み損合計を計算しました。
価格 | 購入単位 | 含み損 (46$の時) |
損切価格 (-18$) |
必要証拠金 (暫定値) |
---|---|---|---|---|
64 | 5 | -90 | 46 | -6,500 |
63 | 5 | -85 | 45 | -6,500 |
62 | 5 | -80 | 44 | -6,500 |
61 | 5 | -75 | 43 | -6,500 |
60 | 5 | -70 | 42 | -6,500 |
59 | 5 | -65 | 41 | -6,500 |
58 | 5 | -60 | 40 | -6,500 |
57 | 5 | -55 | 39 | -6,500 |
56 | 5 | -50 | 38 | -6,500 |
55 | 5 | -45 | 37 | -6,500 |
合計 | 50 | -675$ | - | -65,000 |
- 最大含み損:-675ドル(-77,625円)
- 必要証拠金:-65,000円
- 必要資金の目安:77,625 + 65,000=142,625円以上
※USD/JPY=115円で計算しています。
リスク試算表から142,625円以上あれば25%(18ドル)の下落に耐えられます。
コロナショックでは高値71.1から安値43.44まで短期間で39%下落しました。71ドルまで上値を追いかけて運用していたら、-18ドルで損切りの設定では、10本の損切りが発生(約10万円の損失)は発生していたでしょう。
損切りが発生しないようにするためには、損切り幅25%(18ドル)では十分ではなかったと言えます。
公共事業株は実際にいくら稼ぐのか
ETF自動売買の運用利益はこちらにまとめています。
公共事業株は下落幅は他のセクターより小さめと思っていましたが、コロナショックではがっつり下がりました。
やはり損切り幅は40%は必要だと言えます。
しばらく公共事業株ETFの自動売買は運用をお休みします。